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創業50周年記念特別企画
【リレー対談 】矢野泰三の真っ向勝負!
|先人たちしてきた礎があればこそ
矢野 まずは創業五十周年おめでとうございます。
社長 どうもありがとうございます。
矢野 五十周年を迎えられて、しかも新しい世紀が始まったばかりですが、今のお気持ちは?
社長 新しい世紀を迎えて胸ふくらむとか、すごい抱負があるとかじゃなくて、世の中の景気が非常に悪く、特に我々の業界は公共投資の削減とか公共投資罪悪論みたいな風潮の中で新しい世紀を迎えているわけですから、何とか当社の社員が夢を持って社会基盤整備に取り組んでいけるような、そういう生きがいのようなものを私も一緒に持ちながら仕事に取り組んでいかなければならない。そういう年を迎えたのではないかという気がしています。
矢野 宮本組には社長のお父さんである先代会長や現会長が築いてこられた長い歴史があるわけですが、それがプレッシャーになるようなことはありますか?
社長 先代会長は私の父で十三年前に亡くなりまして、現会長は私の叔父にあたります。父が亡くなった時から副社長をずっとやってきていますので、別にプレッシャーのようなものはありませんが、これが心の準備もなく、いきなり社長にというのであれば戸惑いもあったと思います。でも、訓練期間がありましたから(笑)。これも叔父である現会長がそう仕向けてくれたお陰です。
矢野 しかし、会社も大きくなり、社員も増えていく中で、これを束ねていくのは、いろいろと難しい面もあると思いますが?
社長 多少気になったのは、会社役員の中で専務を務める私の弟を除くと私が一番若いという中で会社運営をやっていかなけれぱならなかったことです。結局は年功序列がどうこうでなく、社長というのは信念を持って「俺についてこい」という風な強い統率力が大切だと思っていますから(笑)、そんなに大変だとかは感じていません。|仕事への情熱と家庭的な雰囲気を大切に
矢野 これまでの流れの中で、社としてのモットーもあったかとは思いますが、社長ご自身のモットーは?
社長 今この時期、我々が置かれている環境の中で、特に私が大切にしているのは「私がやらねば誰がやる。今やらねば、いつできる」です。どなたの言葉だったかは、ちょっと忘れましたが。
矢野 ということは社員の皆さんにも、そういう情熱を持った人が多いということでしょうか?
社長 ええ、そうだと思います。それともう一つ、当社は会社が小さい頃から家族的な雰囲気をとても大切にしてきました。社員が増え、会社が大きくなっても同じようなところあります。「温かいところが会社の中にある。」と私は思っています(笑)。
矢野 じゃあ、これからも仕事への情熱と全社的な家族愛を大切にしていきたいということですね?
社長 はい、それが大きな柱だと思います。
矢野 それと、社員の皆さんに非常に健康そうな人が多いんで実はびっくりしているんですが(笑)、やっぱりそのあたりも大事にしてらっしゃるんでしょうか?
社長 そうです。社員を採用する際もその点を重視します。我々の業界は体が資本ですから。よく言われる「健全な精神は健全な肉体に宿る]です。社員がそこまで意識しているかどうかはともかく(笑)、元気な社員が多いのは事実です。|忘れてはならない私達の社会的使命
矢野 それと、今の時代は、我々のようにマスコミに身を置いている者でも読みにくい、非常に混沌とした時代だと思います。その中で五十周年を迎えられ、社長としていろんな思いを持っておられると思いますが、何か期するものは?
社長 会長ともよく話をしますが、五十年というのは会社の中での本当に大きな節目なんです。なかなか昨今は五十年も続く会社は少ないですし、我々より規模の大きいゼネコンでもいつ倒れるか分からない。あるいは倒れないまでも会社の内容が非常に悪いという状況になることもあるわけです。その中で私どもは何とか五十年という節目を迎えることができた。だからこそ、ここで創業精神に戻ることが大事だと思うんです。我々の原点は建設業です。特に私どもは土木が中心ですが、大事なのは、その建設事業を通して社会貢献をしているんだという意識だと思います。社員にもよく言うことですが、「いいものを、安く、早く、しかも安全に施主に提供する」のが我々の使命であり、宮本組の創業の精神だと思います。ですから五十周年を機にまずはそこに立ち戻り、足元を固めていかなければならないと考えています。
矢野 何かそう思われるきっかけみたいなものが、おありだったんでしょうか?
社長 ええ、どうも昨今は建設業に限らず各企業ともモラルが欠如しているように感じるんです。というのも、各企業ともバブルの時に金儲け主義に走って、とにかく儲ければいいという風になって、その悪しき部分だけがバブルが崩壊して十年近くたった今でも残っている。気分的に、バブリーなものが、何でも金で片づけようという風潮が残っているんです。 しかし、我々企業の上に立つ者がそういうことだけを追い求めていては、これから育っていく社員のためにはならない。公共事業等において我々宮本組の仕事には社会性があって、橋を架け、ダムを造るなどして、造ったものを喜んで使っていただいて、お役に立つという大きな使命がある。そういう使命感を持って何事にも取り組んでいかなければならないという気がします。
矢野 おおせのように、ごく当たり前のことというか、基本的なことがバブルの中で忘れ去られてしまったというような気は確かにしますね。
社長 はい、ただし相矛盾するところもあります。さりとて競争に勝っていかないと企業として成り立っていかない。先ほども言った「良いものを、安く、早く、しかも安全に施主に提供する」というのが根幹にあるのですが、あまり競争ばかりに気を取られていると、何かが抜け落ちてしまう。特に「良い作品を造る」という部分が抜け落ちやすいんです。ですから自分の会社の利益のためだけにやるんじゃなくて、社会奉仕というか、企業の社会性というのが大事だと思います。
矢野 そういった意識は、亡くなった先代会長も現会長も、強く持っておられるようですね?
社長 はい、今日まで当社の根幹にずっと流れてきていると思います。
矢野 五十周年を機に、そのあたりの原点をもう一度確認して新たなる飛躍へ、ということのようで、今後ますますのご発展を期待いたしております。本日はどうもありがとうございました。